松井るり子さんは,著書「七歳までは夢の中―親だからできる幼児期のシュタイナー教育」の中で,子供に与える玩具について,以下のように書かれています.
質の良い木の玩具であれば,子供に遊ばれなくなった後も,飾り棚にしまっておきたいくらい美しい.そうやって時を繋いで,孫にも曾孫にも遊ばせてやれるならば,少しも高くない.だから,木の玩具を買うときは,彫刻を買うようなつもりで,なるべく高いものを探して,少しだけ買うようにしている.また,お金で買えない玩具の方がむしろ美しい.貝殻,木の実,種,小石,枝などを,籐の籠に入れて眺めていると飽きない.
さらに,「幸せな子ども―可愛がるほどいい子になる育て方」の中では,次のように書かれています.
部屋の厄介者となるようなプラスチック玩具を生産しては子供に与えて,大人の目に触れない場所に追いやる行為が,子供を厄介者の範疇に囲い込む手助けをしている.大人の目にも心地よく,それと暮らすことに何の我慢も要らない玩具を整えることで,子供が大人と一緒に居られる場所を作っていけば,子育てはもっと楽しいものになる.だから,「子供が使わなくなったら私のものにしたい」と思える玩具を買う.
プラスチック製の玩具はすべてダメだとは思いませんが(レゴブロックは好きなので),おkもちゃとして,木製のものや自然のものが良いというのは,直感的に正しいような気がします.実際,我が家でも,可能であれば木製玩具を与えるようにしていますし,毒々しい色遣いのおもちゃを子供に与えたいとは決して思いません.
おもちゃとして自然のものを子供に与えるということがピンとこない方は,ここで紹介している本(シュタイナー教育の入門書です)が参考になると思います.
親だからできる赤ちゃんからのシュタイナー教育―子どもの魂の、夢見るような深みから 著者: ラヒマ ボールドウィン 原著は,シュタイナー教育を志す母親達にバイブルと言われる本です.子供が生まれてから小学校に行くようになるぐらいまでを対象に,シュタイナー教育の考え方と具体的なアドバイスを与えてくれます.シュタイナー教育の指導者の資格を持つ翻訳者の力によるところも大きいのでしょうが,とても優しく書かれていて,読みやすいです. シュタイナーが正しいかどうかを評価するつもりはありませんし,仮に正しいとしても,すべての親がシュタイナー教育を志す必要があるとも言いません.でも,少なくとも,こういう考え方,こういう育児の方法があるのだということは知っておいて良いと思います.育児の全責任は最終的に親が負わなければならないわけですから,知りませんでしたで終わらせてしまうには,もったいないのではないかと思うのです. 是非,一度手にとって読んでみて下さい. |
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幸せな子ども―可愛がるほどいい子になる育て方 著者: 松井るり子 シュタイナー教育に魅せられ,母親としてシュタイナー幼稚園を体験した著者が,生まれてから小学校低学年頃までの育児について,自分の考えをまとめた本です.非常に優しい言葉遣いで書かれており,自分の意見やシュタイナーの意見を押し付けようとするのではなく,こういう育児もありますよと語りかけている雰囲気の本です. 育児の参考書として,またシュタイナー教育の入門書として,素晴らしい本だと思います.できれば,育児を始めるまでに読みたいですね. |
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七歳までは夢の中―親だからできる幼児期のシュタイナー教育 著者: 松井るり子 米国に滞在した1年間,息子をシュタイナー幼稚園に通わせると共に,毎週1度の保育参加も経験した著者が,その幼稚園の様子を詳細に伝えてくれる本です.シュタイナー教育がどのようなものであるかを知りたい人には,非常に参考になるでしょう.大変読みやすく,押し付けがましくなく,幼稚園の様子,保育者の素晴らしさ,子供や大人の反応が素直に書かれていて,著者の感激がそのまま伝わってきます.シュタイナーなんて知らなくても,このような保育もあるのだと知るだけで大いに価値があります.育児に迷いがあるなら,是非とも読んで欲しい本です. |