ここで紹介する内容は,考えたこと,本を読んだり,調べたりしたことを,私なりに整理したものです.小学校・中学校・高校での教育を対象としていますが,「素晴らしい実践」は小学校教育が中心です.我が子が小学校に進学する将来を見据えて,情報の収集と分析をしているためです.
本当の学力をつける本―学校でできること家庭でできること 著者: 陰山英男 有名大学合格者が続出したことで注目を集めた山あいの公立小学校が取り組んできた内容と,その実践を通して陰山英男さんが感じられたこと,考えられたことを紹介している本です. この小学校で素晴らしい成果を上げた取り組みというのは,徹底的に「読み書き計算」にこだわることです.基本を重視し,基本をしっかりと身に付けさせること,ただそれだけです.こんな基本的なことが注目されてしまうぐらい,昨今の義務教育が置かれている状況が酷いということなのでしょう. 本書では,具体的な勉強方法・教育方法を示すと共に,家庭でできること,社会でできることを紹介しています.小学校に通っている,またはこれから通うぐらいのお子さんがいる方は,是非読んで下さい. |
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家庭楽習でわが子は変わる―鉄人の学力向上法 著者: 杉渕鉄良 家庭学習は家庭楽習であるべきという観点で,親も子も楽しみながら進められる家庭学習の方法を具体的かつ易しく紹介しています. 子どもの瞳が輝く算数楽習法(10マス計算ワールド−開けよう算数名人への扉/文章だい(題)好き!),自然に身につく国語楽習法(速攻辞書引き/とってもいいカンジ(漢字)/氣づいたら作文上手/『俳優読み』−音読はおもしろい!)など,杉浦さんが築いてこられた魅力的な学習方法が満載です. 家庭学習にどう取り組んで良いか悩んでいる保護者はもちろん,多くの人に読んで欲しい,お勧めの一冊です. |
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強育論 -The art of teaching without teaching- 著者: 宮本哲也 無試験先着順の入塾で首都圏トップ校(開成、麻布、栄光、筑駒、駒東、桜蔭、フェリス)に85%の進学率という驚異の実績を残している算数教室の先生の著作です.その教育法は実に単純明快です. 子供が学習するのは知的欲求から来る本能なのだから,馬鹿親が邪魔をしなければ,子供の学力は伸びる.学習よりも,睡眠,食事,運動を最優先すべきであり,子供から生命力を奪うようなことをしてはならない.頭を使い続けることで学力は伸びる.このような前提の上で,考える力を身に付けさせるための算数の指導方法が紹介されています.算数が苦手な人,特に応用問題が苦手な人は,公式だけ暗記して危機を乗り越えようとする傾向があります.しかし,それでは少しひねった問題を解けるはずはありません.本質を理解しないとダメなのです. 算数や数学は暗記教科だと根本的に勘違いしている方や,子供に考える力を身に付けさせたい方は,是非本書を読んでみて下さい.きっと得るものがあります. |
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「本当の学力」は作文で劇的に伸びる 著者: 芦永奈雄 ストーリー作文を書くことで,子供は本当の学力を身に付けることができるというのが本書の主張です.そのストーリー作文を書くためのテクニックが紹介されていますが,ストーリー作文を書くというのは著者が行き着いた手段なのであって,目的は,子供に本物の力を,自分自身で考える力を身に付けさせることです. 自分が国語が苦手で,子供も苦手というような方は,こういう教え方もあることを知れば大いに参考になるでしょう.ただし,本書を読んで,家庭で子供に作文を書かせたら,すべての教科の成績が良くなる,なんてことはないでしょう.そこまで真に受けないように. |