夜泣きが大変で,買い物や散歩のときも「キーキー」と声を上げる.このような症状の原因は,牛乳アレルギーであることがある.
生まれてすぐ牛乳の栄養が子供の体に入った場合,人のタンパク質と異なる牛のタンパク質が分解されずに吸収される.それは人のタンパク質ではない異種タンパク質として抗体になる.一度抗体ができると,牛乳が体内に入る度に腸の働きを悪くして,その子の神経を刺激したり,興奮させたりする.これが子供のイライラの原因となることがある.
母親が母乳だったため,母親も子供も乳製品を止めるようにしたところ,5日後には夜泣きがおさまり,日中の「キーキー」もなくなった.
このような例は,0歳の乳児に限らず,何歳の子供でも起こりえる.周囲の大人は,「自分の声が面白いのでは」とか「遊んでいるのだから」とか考えるようだが,このような例は乳製品の影響であることが多い.
なお,注意すべきことは,このような子供達は,血液検査で「乳製品アレルギー」とは診断されないことである.
癇癪持ちで,相手を押したり叩いたり噛んだりする.時期的にも,一見すると,自我が関係しているのかと思える.
確かに2歳は自我の芽生える年令でもあり,判断は難しい.しかし,季節を問わず鼻水を出したり咳をしたり熱を出したりと,体が弱い場合,乳製品の影響を心配してみる必要がある.この子供の場合,毎日牛乳を飲んでいて,グラタンやクリームシチューが好きで,さらにシュークリームやヨーグルトやアイスクリームも食べるとのこと.そこで,乳製品を止めてみないかと母親に告げると,「牛乳は体に良いし,背が伸びる.完全な栄養食品でしょ!?」との反応.なんとか説得してから1週間後,鼻水や咳が止まったとの連絡があり,3週間後には,癇癪がおさまり,相手を叩いたり噛んだりすることもなくなったとの連絡があった.
この子は小さく痩せていたことと,保健所の指導もあって,ご飯を食べたがらないときでも牛乳は必ず飲ませていた.これが体に合わなかった.
後日,この子の父親が「男なのに小さく痩せている.牛乳を飲ませろ!」と,「鼻水や咳がおさまり,人を叩いたり噛んだりもしなくなった.」と反論する母親を一喝し,再び牛乳を飲ませるようになった.子供はすぐに体調を壊し,3歳で喘息と診断された.しかし,父親は,体調不良も集中力の欠如も子供の個性だとして,牛乳を決して止めさせようとはしなかった.
乳製品が原因となる症状として,「夜泣き,睡眠が浅い,鼻水や咳が止まらない,風邪を引きやすい,便秘症,キーキーという,癇癪持ち,叩く,噛む,大人しすぎる」などがある.もちろん,牛乳だけが原因ではなく,うくつかの要因が絡み合っている場合もある.
2歳の男の子の例のように,親が牛乳に対する固定観念を打破できず,子供に犠牲を強いる場合も多い.
世間一般では,牛乳は栄養的に非常に優れていると言われている.身長が高くなるとか,カルシウムがいっぱいとか.しかし,本当にそうなのか.悪い影響が全くないと言い切れる人は別として,上記のような症状のどれか1つでも子供に現れているという人は,牛乳の影響について真面目に考えてみる必要がある.
もう肉も卵も牛乳もいらない! 著者: エリック・マーカス 単に健康という観点からだけでなく,食料・環境問題も視野に入れて,動物性食品を食べるのはやめましょうというのが主張です.完全な菜食生活まで要求する必要はないですが,多くの人は明らかに動物性食品を過剰摂取していますから,この本を読んで自分の食生活を見直してみると良いと思います. 私も菜食・粗食を心掛けていますが,心身共に快適ですよ. |
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牛乳には危険がいっぱい? 著者: フランク・オスキー 優れた健康食品と考えられている牛乳が,実は,健康上の様々な問題を引き起こす可能性があると,牛乳の危険性を指摘している本です. ただ,何事にも良い点と悪い点があるわけですから,悪い方だけを見る必要はないと思います.もちろん,良い方しか見ないのは大問題ですし,牛乳に関しては良い点ばかりを吹き込まれてきた人が多いでしょうから,この本を読んで,牛乳の是非について自分で判断されることをお勧めします. |
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牛乳の飲みすぎに注意しましょう!―牛乳神話完全崩壊〈2004年版〉 著者: 外山利通 タイトルの通りの内容です. ただ,何事にも良い点と悪い点があるわけですから,一方的な内容を無闇に信じる必要はありません.大切なのは,努力して知識を身に付けて,自分自身で判断できるようになることだと思います. |
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日本の牛乳はなぜまずいのか 著者: 平沢正夫 ほとんどの日本の牛乳は,本来保存用であるはずの超高温滅菌乳です.これは生産者の都合で,牛乳の製造を合理化するために,そうなっているわけです. 今の世の中,細かいことを気にすると何も食べられなくなってしまいます.でも,事実を知って受け入れるのと,無知なまま闇雲に受け入れるのとでは,全然違います.正しい知識を身に付けて,自分で良いものを選ぶ努力をしなければいけません.そういう消費者が増えれば,安全で美味しい食品がもっと増えると思います. |