乳児は,できれば母乳で育てましょう.そうしたくてもできない場合は仕方ありません.でも,好き好んで粉ミルクで育てる必要はありません.
母乳は乳児にとって完全無欠の栄養食品です(ただし,母親が節制した生活をしていたならという条件付きですが).ヒトの赤ちゃんにはヒトの母乳が,牛の赤ちゃんには牛乳が最も適しているのです.牛乳にはカルシウムが豊富に含まれています.それは,ヒトの4倍ぐらいの速さで成長する牛の赤ちゃんに必要だからです.ヒトの赤ちゃんに必要な栄養素はカルシウムだけではありません.脳細胞の成長に欠かせない脂肪酸は,牛乳よりもヒトの母乳に多く含まれています.
ある時期になると断乳しなければならないと思っている母親は多いでしょう.子供が母乳を欲しがっていても,例えば何かの顔を描いて,子供が飲まないように仕向けたりします.ところで,なぜ,断乳しないといけないのでしょうか.
断乳はいついつまでにという説に根拠なんてないのではないですか.大事なことは,子供と母親が幸せかどうか.子供に母乳が必要なくなれば,母乳は出なくなります.それまでは,いつまででも飲ませてあげれば良いのではないでしょうか.こんな風に楽に考えた方が,育児もやりやすいですよね.
もし断乳すると決めたなら,親が迷ってはいけません.毅然とした態度で臨みましょう.
最初は,おもゆ(水の量を多くして米を炊いた上澄みの糊状の汁)で良いのです.その次には,おかゆです.離乳食として,乳製品や卵を使った料理を与える必要はありません.肉も必要ありません.本屋に並んでいる離乳食の本には,工夫を凝らした綺麗な料理が数多く紹介されていますが,そういう料理を与える必要はありません.子供が健康になるわけでもありません.また,離乳食に進む前に果汁を与えることが推奨されていますが,果汁を与えるべきではありません.水分を与えるなら,水か薄いお茶で良いのです.
「カルシウムを取らなければならない」という意識が強い真面目な保護者ほど,子供に牛乳を与えようと努力する傾向があります.もちろん個人差があるのですが,牛乳をはじめとする乳製品はアレルギーの原因になることもあります.例えば,幼い子供の肌の調子が悪いという方は,一時的に牛乳を与えるのを止めてみると効果があるかもしれません.
牛乳には,ご飯よりもパンが合います.実は,このパンというのも曲者で,特に外国産小麦を使用しているパンは,日本人の幼い子供には不向きです.子供がよくキーキーと叫ぶのだが,その理由がサッパリわからないという方は,パンを止めてご飯を与えるようにすると効果があるかもしれません.
「あるかもしれません」という柔らかい表現を使いましたが,実際に効果があります.誤った常識に惑わされている人は,納得するまで調べてみるとよいでしょう.
じょうぶな子どもをつくる基本食 著者: 幕内秀夫 ご飯を主食とする,日本の伝統的な食生活の大切さをわかりやすく解説しています.パンを主食とする欧米型食生活が日本人に適さない理由,砂糖の危険性,アトピー性皮膚炎やアレルギー,便秘,乳ガンなどを改善したり,予防したりするための食生活などについても書かれていて,特に子育て中の親には是非読んで欲しい本です. 食育関連の本には,ややヒステリックな感じで書かれていたりするものもありますが,この本の表現は柔らかで,嫌みがなく,とても読みやすいと思います. |
子どもレシピ―じょうぶな子どもをつくる基本食 著者: 幕内秀夫 |
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