当然のことですが,どんな食べ物にも良い点と悪い点があります.それだけ食べていれば健康になれるという,完全無欠の食べ物なんてありません.「あるある大辞典」なんかの見過ぎで,特定の食べ物ばかりを過剰に取る人もいるようですが,それこそ偏食です.決して健康的な食事ではありません.
食べ物には良い点と悪い点があるという例を見てみましょう.
ギクッとした人はいませんか? テレビや雑誌で紹介されるのは,食べ物の一面にすぎません.間違いではないですが,それがすべてではありません.自分の健康のために,家族の健康のために,正しい知識を身に付けましょう.
少しのご飯にたくさんの種類のおかず.できれば一日30品目.塩分を10グラムにして,緑黄色野菜を300グラム食べて,骨粗鬆症を予防するために牛乳を1本飲みましょう.
家庭科の時間に習ったことがあるような,栄養バランスについての指針です.戦後の日本では,栄養改善普及運動として,このような食事を心掛けることが推奨されてきました.でも,この栄養改善普及運動は, 単なる西洋コンプレックスの表れです.
この栄養改善普及運動のおかげなのでしょう.確かに,子供は大きくなりました.昔と比べると,ずっと体格が良くなりました.でも,それで健康になったでしょうか.牛乳をたくさん飲むようになって,骨粗鬆症は減っているのでしょうか.骨折をしなくなったでしょうか.どちらかと言うと,状況は悪くなっていませんか.栄養改善普及運動が広まる前の日本人の身体は小さかったかもしれませんが,今よりずっと健康だったのではないでしょうか.
あなたが正しいと吹き込まれてきたことは,本当に正しいのでしょうか.再点検しても良いかもしれませんね.
じょうぶな子どもをつくる基本食 著者: 幕内秀夫 ご飯を主食とする,日本の伝統的な食生活の大切さをわかりやすく解説しています.パンを主食とする欧米型食生活が日本人に適さない理由,砂糖の危険性,アトピー性皮膚炎やアレルギー,便秘,乳ガンなどを改善したり,予防したりするための食生活などについても書かれていて,特に子育て中の親には是非読んで欲しい本です. 食育関連の本には,ややヒステリックな感じで書かれていたりするものもありますが,この本の表現は柔らかで,嫌みがなく,とても読みやすいと思います. |
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自然流食育のすすめ―小児科医からのアドバイス〈3〉 著者: 真弓定夫 アレルギーの子供,子供を作れない大人,成人病発病の低年齢化など,現代の日本で起こっている明らかに異常な事態の一因は食事にあります.長い年月をかけて日本人が適応してきた五穀を中心とする食生活を捨て,パン,牛乳,肉類を過剰に摂取する食生活に切り替えてしまった結果が,現在の状況を生んでいるのです.牛乳を飲めば飲むほどカルシウム不足になり,体がもろくなってしまうことを,肉は基本的に日本人の体には合わないことを認識しましょう.本書の主張は上記の通りです. やや表現がきついというか,ヒステリックな感じもします.食育の本として最初に読むのであれば,幕内秀夫さんの「じょうぶな子どもをつくる基本食」をお勧めします. |